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第26回 小松 一憲 氏


主題: アテネオリンピック

講師: 小松 一憲 氏

開催日時: 2004年10月23日(土曜日)13:00〜17:00

開催場所: 東京・夢の島マリーナ会議室

参加者: 総勢12名




ご存知のとおり、氏はアテネオリンピックのセーリング 日本代表選手団監督を務められました。 そしてその結果は、これも皆様すでにご存知のとおりで、 470の関一人/轟賢二郎組の銅メダルをはじめ、 多くの輝かしい成績 を獲得して終わりました。 そんな 2004年アテネオリンピックのヨット競技を、 (ブイ回りの世界では 自らオリンピックに4回も出場し、 オフショアなら世界一周レースで優勝までした、 日本屈指のヨットレーサー)小松監督の目をとおした アテネの夏の顛末を、氏自身の言葉で語っていただこうと この講演を企画しました。


<講師の自己紹介>

(照れるご本人でしたが、何とかお願いしました。すごい実績ですネ)

小松一憲(昭和23年生まれ、56歳)

経歴・戦歴・指導暦

横浜の中区に育ち、船乗りへの漠然とした憧れを持っていた。 半年間のアルバイトでためたお金で高校2年の冬、 艇長4mのディンギーを購入し遊びだす。当時の人気テレビ番組 「これが青春だ」ヨット版を目指すことを決意し、 ヨット部はなかったが日体大に入学。同時にフィン級 (現在もオリンピッククラス、当時の国体種目)を購入し、 大学3年生で神奈川県代表となる。卒業とともに大和市立つきみ野中学校教諭 として勤務する。

卒業して1ヵ月後におこなわれたミュンヘン・オリンピック・プレ 大会の代表選考を兼ねた全日本大会に優勝。 教職は1年で辞め、ヤマハ発動機に入社。舟艇の設計部に属し、 テストを中心とした新艇の開発に携わる。この間、 IORのレースに参加。1/4トン、1/2トン、3/4トンの 全日本選手権に優勝。1/2トン世界選手権、3/4トン世界選手権 (アテ ネ・4位)に出場。八丈島レースには2回参加し、優勝1回、 2位1回。鳥羽レース優勝1回。香港〜マニラレース、 トランスパックレ ース(ロサンゼルス〜ハワイ)に参加。 1993〜4年・ホイットブレッドブレッド世界一周レース優勝。 J-24全日本大会優勝1回、世界選手権8位。ネーションズカップ ・マッチレース・アジア・オセアニ ア大会優勝。 オリンピッククラスでは、470級全日本大会優勝6回、 世界選手権・連続10回出場(2位・6位・9位)。 ソリング級全日本大会7回優勝。

オリンピックには、モントリオール大会(470級10位)、 ソウル大会(ソリング級11位)、バルセロナ大会(ソリング級12位)、 アトランタ大会(ソリング18位)、シドニー大会監督、アテネ大会監督。

指導暦としては、1981年から10年間早稲田大学コーチ。 1992年から4年間京都大学コーチ。1997年よりJOC専任コーチとして現在に至る。


<講演の概略>

内側から見たオリンピック
「ヨットの科学」とは程遠い、雑談でしかありませんが、 「アテネの海に日の丸を」のスローガンの下、 大勢の皆様より温かく背中を押されて行ってまいりました アテネオリンピック、感謝を込めてご報告したいと考えています。

* 一般市民の関心が薄かったオリンピック
* 開催までに必ず準備が整うと信じていたオリンピック
* 女性組織委員長の長い挨拶
* 一般市民一番の感心種目は
* 開会式、閉会式共に主役だったセーリングの選手
* メディアの良識に感謝
* 記者の言葉に改めて感激
* 「金メダル金メダル」と題目を唱えるパワー
* 時代の移り変わりをはっきりと認識
* 気負いなく坦々と
* 68年にして初の男子銅メダル
* 残念だったボタンの掛け違いの女子470級
* 誰が勝つかわからなかった代表選考レース
* 心配なギリシャのこれから
* 中国には、戦いを挑む意気込みで
* その他


<Q & A>

今回は出席できなかった山口眞裕氏から以下のとおり質問をいただきました。

大橋 様    山口 です。

ご無沙汰いたしております。 ここ数日、雨の天気が続き、涼しくなったのはよいのですが。 さて、表記のヨットの科学の開催の通知を戴きました。 お話として、是非参加してお聞きしたいと思っておりますが、 残念ながら10月23日は先約があり、不参加となります。 オリンピックで今回は銅メダルのニュースも出て、良かったと 思います。

2つほど質問があります。
1. 数年前にヨーロッパのテレビ番組で屋内で セーリングヨット(ウィンドサーフィン)のレースがありました。 このような経験が いろいろなレースに有効ではないかとおもいますが、 いかがでしょうか。 これを踏まえると、バーチャルな世界でトレーニングが重要かと 思いますが、この点について講師にお聞きしたいと思って おります。

2. 1にも関係しますが、国立の科学スポーツセンターでの 機能に加える要素に何があるかをお聞きしたいと思います。

以上、もし、参加の方から質問などが少ないときにお願い いたします。  では、また。



これについて当日、小松氏からお答えをいただきました。

1. タッキングとかジャイビングとか、個々の機能トレーニングには 有効と思います。ただ、設備が大げさになりそうなので、 コストパーフォーマンスを考えるとしり込みします。

2. おっしゃるとおり、1とも関係しますが、フランスでセーリング のトレーニングセンターを3ヶ所作ったそうです。そのうちの1ヵ所で その種の箱物を建設したのですが、その評価は「大失敗」だったようです。 つまり箱物を作るとそのための維持費・人件費が膨大なものとなって、 自滅してしまうのです。よって他の2ヶ所では、何もない広大な空間を そのままにして、これがトレーニングセンターだ、としたそうです。 何もなければ何でもできる。フレキシブルな場所として大好評だそうです。




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